ナ行(中島京子 他)梨木香歩 梨木さんについては別記参照↓ http://plaza.rakuten.co.jp/canina98/9000 =========== 中島京子 『イトウの恋』 【内容】 「旅の時間は夢の時間」とあの女は言った。人生はいつも誰にも 不可思議なもの-。ヴィクトリアントラベラーに恋した男の手記を めぐる、心暖まるラヴストーリー。 (「BOOK」データベースより) どうやら、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」から発想を得た作品 のようで、通訳兼ガイドのイトウの手記と、その手記を偶然発見した 教師、という2つの時間軸で描かれています。 イトウの手記のほうは、自分の倍以上年上のイザベラへの恋心が 実に純真そのものに描かれていて微笑ましいほどでした^^ 一方、現在の、手記発見者である教師とイトウの末裔と思われる 女性とのロマンス(?)のほうは、いささかドタバタとしすぎてて 尻切れトンボのまま(+_+) イトウとイザベラの話のほうだけでも充分読み応えがある作品に なったと思うんですが・・・・(・・? そのへんが疑問だったものの、最後まで楽しく読めました 読み始めの頃、イザベラ・バードの名前が「どこかで聞いたような ・・(-"-)」と引っ掛かっていたんですが・・・・ 以前、読んだ本で目にしたんでした! コチラ↓ 『纏足の発見 ある英国女性と清末の中国』 東田雅博/著 中国が生んだ奇習・纏足(てんそく)のことは皆さん、ご存知ですよね? この風習が廃止されるにあたり、大きくかかわった英国女性 リトル夫人のことに光をあてて書かれた本です。 この本では、女性束縛の象徴でもある纏足という習慣を糾弾する ため果敢に戦うリトル夫人とは対照的に、同様に中国を訪れながら 「纏足を発見」しなかったイザベラのことを、かなりあしざまに書いて あったと記憶しています(~_~; =============== 「FUTON」 中島京子著 【内容】 「『蒲団』?あの、変態の先生が女弟子のフトンに顔をうずめて泣く話?」 田山花袋「蒲団」の書き直しを図る中年アメリカ人と愛人の日系女子学生。 95歳の曽祖父の戦後史と現在。知的ユーモア溢れる書き下ろし長篇 (「BOOK」データベースより) 「イトウの恋」同様、とても技巧を凝らした構成です。 作中に挿入される米教授の小説「蒲団の打ち直し」と、東京下町に 住む曽祖父「ウメキチ」を中心とした物語が、絶妙に交錯されて、 最後まで飽きさせません。 特に「ウメキチ」を巡る物語は東京の戦前戦後、そして現在まで 広がって、実に豊か☆ 彼独特の人生哲学もユーモアたっぷりで深く頷けるものが多くて 印象に残りました。 いわく・・・・・・・・・ 「「しょうがねえじゃねえか、寿命がこんだけ長くなっちまったんだからよ。 一瞬、一瞬、デジタルに生きていかねえとな。」 (¨*)(..*)ウンウン、そうだそうだ! 座右の銘にしようかしら(爆) ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「均ちゃんの失踪」 【内容】 均ちゃんはイラストレーターで、ガールフレンドが何人かいて、 ふらふら失踪する癖があって、ともかくろくでもない男。 その均ちゃんが失踪中に空き巣が入った。そして、三人の 女が関係者として呼ばれた。均ちゃんの行方は?三人の 女たちの恋の行方は?(「BOOK」データベースより) 『イトウの恋』『FUTON』の2冊に比べると、ごくごく普通の構成で 実にシンプルなお話です。 そのせいか、少々、物足りない感があるけど、放浪癖のある 均ちゃんに取り残された3人3様の心の動きがヒシヒシと伝わって きて、とても楽しく読めました♪ Designed By チワワン子 |